豊かな自然環境を守り、
食の安全を約束する 未来の水産業に向けた研究を進めています。
(株)愛南リベラシオは、四国の西南の端、日本屈指の養殖生産地である
愛媛県愛南町から生まれた愛媛大学発のベンチャー企業です。
大学の研究活動の成果である最先端の技術を活かし、豊かな自然環境を守り、食の安全を約束する、
未来の水産業の確立に向けた研究開発と新規事業の立ち上げを進めています。
NEWS
-
2017.08.30弊社WEBサイトを公開しました。
愛媛大学が発見した
新たな機能性物質を
カイコから凝縮。
- Infomation
-
「シルクロース/Silkrose」は弊社の登録商標です
(商標登録第5621497号) -
昆虫に含有される多糖類と、該多糖類を含む組成物に関する特許を取得しました
(特許第6019505号)
人口爆発の時代に向けた新たな動物性資源として「昆虫」に注目されています。国際連合食糧農業機関(FAO)も昆虫食を推奨するように(Huis, 2013)、昆虫の食料生産への応用は世界的な流れとなっています。愛媛大学は、早くから科学技術振興機構(JST)の支援を受け、昆虫を水産養殖に応用する取り組みを行ってきました。
その中で、愛媛大学では、養蚕で飼育されるカイコガ(Bombyx mori)やヤママユ(Antheraea yamamai)のサナギに、魚類や甲殻類の免疫を強く活性化させる多糖が含まれることを発見しました。カイコガやヤママユに含まれる多糖類の単離・同定に成功し、繭から取れる「絹(Silk)」と糖を意味する「―ose」を合わせて、「シルクロース」と命名しました(Ohta , 2016)。シルクロースは、腸管免疫や体表免疫に作用し、魚病に対する耐性付与はもちろん、色揚効果や身質改善効果も実証されています。
本製品「シルクロース®」は、カイコのサナギに含まれる機能性物質・シルクロースを抽出する特許技術により製造されたものです(特許第6019505号)。機能性物質が凝縮された粉末であり、養殖魚の免疫の維持と確かな成長を確保するため、飼料に僅かに添加することを推奨しています。
[参考文献]
Huis AV., Itterbeeck JV., Klunder H., Mertens E., Halloran A., Muir G. and Vantomme P. (2013) Edible Insects: Future prospects for food and feed security. Food and Agriculture Organization of the United Nations, Rome, Italy
Ohta T., Kusano K., Ido A., Miura C. and Miura T. (2016) Silkrose: A novel acidic polysaccharide from the silkmoth that can stimulate the innate immune response. Carbohydrate Polymers, 136:995-1001.
養殖魚の嗜好性の高い
イカ内臓から
有害なカドミウムを除去。
- Infomation
-
「イカマリン」は弊社の登録商標です
(商標登録第5667707号) -
伊予銀行主催いよぎんビジネスプランコンテスト2013優秀賞を受賞しました
(2014/5/27)。
北海道や青森県で盛んなイカの加工で大量に発生するイカ内臓(イカゴロ)は、養殖魚の嗜好性が高く、貴重な動物性資源です。しかし、イカ内臓には有害なカドミウムが蓄積することから安全性に問題があり、有効に利用されてきませんでした。
北海道大学らが開発した競争吸着法では、イカ内臓から有害なカドミウムのみを除去することに成功しています。さらに愛媛大学では、カドミウムを除去したイカ内臓を、水産養殖向けの飼料に応用し、イカ内臓溶解液「イカマリン®」を開発しました。養殖魚の嗜好性が高いイカ内臓の効果をそのままに、低水温期の摂餌安定化や、低魚粉飼料での成長促進が期待されます。
新たな動物性資源としての
「昆虫」の可能性
愛媛大学では、人口爆発の時代に向けた新たな動物性資源として「昆虫」に注目してきました。国際連合食糧農業機関(FAO)も昆虫食を推奨するように(Huis, 2013)、昆虫の食料生産への応用は世界的な流れとなっています。愛媛大学では、早くから科学技術振興機構(JST)の支援を受け、昆虫を水産養殖に応用する取り組みを行ってきました。
水産養殖の飼料には、その成分に動物性タンパク質が必要とされています。これまでの飼料は、その動物性タンパク質として、天然のカタクチイワシ等から製造される魚粉を利用してきました。水産養殖は、世界的には近年急激に生産量を伸ばしていますが、世界で生産される魚粉の56%は水産養殖用の飼料として消費され、この20年間で魚粉使用量は倍増しています。(Olsen , 2012 / Naylor, 2009)。魚粉が天然に頼り切っている以上、増産は困難であり、魚粉の価格は高騰し、養殖の安定生産が難しい状況が続いています。また、責任ある水産養殖の認証制度Aquaculture Stewardship Council(ASC)の中でも、養殖飼料に含まれる天然魚由来の魚粉・魚油の配合率を減らし、資源への依存度を下げることが必要とされています。将来に渡って豊かな水産資源を残していくためには、新たな飼料原料の開発は必須です。
我々は、現状の水産養殖の最も大きな問題は“魚で魚を育てる”仕組みを脱却できていないことにあると考えます。飼料作物が、食品とバッティングする畜産でも、“ヒトの食べられる作物からヒトの食べる動物を育てる”という同じ構造の問題を抱えています。この問題解決のためには、生態系における物質循環をモデルとした、新たな仕組作りが必要です。
食品残渣や家畜排泄物等の有機物を分解して短期間で成長するハエやアブの幼虫や、ミールワームと呼ばれる甲虫の幼虫は食料とバッティングしない良質な動物性タンパク質であり、魚粉に代わる飼料原料として有望です(Ido, 2015)。これまでの試験結果から、愛媛大学が開発した昆虫由来の飼料は、魚粉を一切使わなくても、魚粉飼料と比較して養殖魚の成長が優れることが確認されました。しかしながら、飼料用昆虫を、いかに安く・大量に生産するかという点において技術的な課題が残っており、実用化のためには継続した研究開発が必要です。愛媛大学の研究成果を活用し、未来の食料生産モデルを世界に先駆けて打ち出すことが、弊社にとって最も重要な使命です。
[参考文献]
Huis AV., Itterbeeck JV., Klunder H., Mertens E., Halloran A., Muir G. and Vantomme P. (2013) Edible Insects: Future prospects for food and feed security. Food and Agriculture Organization of the United Nations, Rome, Italy.
Ido, A., Iwai, T., Ito, K., Ohta, T., Mizushige, T., Kishida, T., Miura, C. and Miura, T. (2015) Dietary effects of housefly (Musca domestica) (Diptera: Muscidae) pupae on the growth performance and the resistance against bacterial pathogen in red sea bream (Pagrus major) (Perciformes: Sparidae). Applied Entomology and Zoology, 50: 213-221.
Naylor R. L., Hardy R. W., Bureau D. P., Chiu A., Elliot M., Farrell AP., Forster I., Gatlin DM., Goldburg R. J., Hua K. and Nichols P. D. (2009) Feeding aquaculture in an era of finite resources. Proceeding of the National Academy of Sciences of the United States of America, 106(36):15103-15110.
Olsen R.L. and Hasan M.R. (2012) A limited supply of fishmeal: Impact on future increases in global aquaculture production. Trends in Food Science Technology. 27(2):120-128.
会社概要
代表者 | 井戸 篤史 |
---|---|
資本金 | 7,000千円 |
設立 | 2012年2月1日 |
住所 | 〒790-0011 愛媛県松山市千舟町4丁目3―7青野ビル1F |
Fax | 050-3737-8455 |
事業内容 | 水産用・畜産用飼料の研究開発、製造、販売 水産養殖技術、食品加工技術等の研究開発及びコンサルティング 飲食料・飼料の製造プロセス開発、機器・設備の販売 |
共同研究 | 愛媛大学大学院農学研究科水族繁殖生理学研究室 〒790-8566 愛媛県松山市樽味3-5-7 |